はじめに

2020年1月から始まった新型コロナは、本年2月5日の感染者数10万5千人のピークを経て小康と拡大を繰り返しています。コロナの蔓延は健康や命の危険にとどまらず、経済の危機をもたらし、これら二つの事柄が社会的弱者である支援対象となる子どもと家庭の困難を大きくしています。
NPOにとってもコロナの影響は大きく、支援活動のスタイルやあり方に影響を与えています。この1年の活動を以下に報告します。

1 児童家庭支援センター事業等

(1) 相談支援事業

「市民からの相談」は主に電話・来所・メール等の相談で、204件(前年度201件)、社会福祉課及び健康づくり課へのサポートで助言した事例は、601件(前年度619件)で、相談の延べ件数は805件でした(前年度820件)。

(2) 市町村からの求めに応ずる事業

「福祉事務所への支援」では、90回のサポートを行い、家庭児童相談室及び母子保健が抱える困難ケースへの助言を行いました。SSWの事例検討会、清明寮と和光寮でのケース連絡会や事例検討へ10回の参加を果たしました。

(3) 里親・ファミリーホームへの支援

里親会や児相主催の行事(里親会理事会、里親サロン)あるいは里親有志の「サロン」にも参加しました。(延べ16回)

(4) 要保護児童対策地域協議会等

要保護児童対策地域協議会の全ての会議(代表者会議、実務者会議、進行管理会議及び要請のあった個別ケース検討会議)に参加(延174回)しました。

(5) 児童養護施設等職員研修事業

浜松市からの受託事業で、新型コロナ緊急事態宣言下という条件のためWebセミナーとして開催しました。基礎研修、資質向上研修を行い、延20名が参加しました。

2 発達障害者支援センター事業

(1) 相談支援・発達相談・就労支援等

相談支援等は、延5,409件と昨年(相談 4,538件)より約900件増加しました。

(2) 市民向け普及啓発活動

浜松医大と共同で世界自閉症啓発デイの取組(ハイブリッド)として講演会を開催しました。

(3) 関係機関等に対する普及啓発および研修

保健師研修(5回)、保育士・幼稚園教諭研修(21回)、ペアレントプログラム(26回)、発達支援広場への技術的支援(174回)に取り組みました。

(4) 関係機関等との連携

年2回の連絡協議会の開催、各種会議への参加(延54回)、機関コンサルテーション(976件)と、ほぼ例年どおりの実績でした。

3 子ども家庭支援プロジェクト

(1) 子どもフードサポート事業(「ぐう♪」)

コロナ緊急事態宣言下の2020年5月に、困窮家庭への食材支援を開始しました。SSWや家庭児童相談室、さらには諸団体をとおして、613回の食材(2,000円相当)を配布しました。

(2) 浜松市子育て見守りサポート事業

児童虐待の未然防止を目的として事業で、プラットフォームを幹事団体に6団体が協働して、訪問延627回、食材提供延2,124回、学習支援等延59回を行いました。
参加団体による事業推進会議を7回開催し、経験交流や連帯の醸成を図るとともに行政と民間団体の相互交流の機会となることを目指しました。

4 人材育成事業

コロナの影響により、浜松子ども臨床事例検討会、子ども家庭ソーシャルワーク研究会はいずれもWebによる開催となりました。
9月の事例検討会・ソーシャルワーク研究会合同のWebセミナーには、80名を超える参加者がありました。

5 他団体との連携及び研究活動

2019年に設立された浜松子ども支援ネットに参加し、地域での連携の進展に貢献しました。
児童養護施設との懇談会を3回開催し、社会福祉法人の地域貢献や他の民間団体との協働について意見交換を行いました。
子育て見守りサポートを通して連携を強めたNPOなどの民間団体への事業に参画し、それら団体と既存の社会福祉法人との新たな社会的養護の流れを模索するいくつかの活動を展開しました。

6 会員等の状況

年度末の会員数は、正会員51(①個人会員49名、②法人会員2団体)、サポート会員83(③個人会員78名、④法人会員5団体)となっています。
21年3月にNPO管理業務を担っていた職員が退職しました。今年度の最大の反省点は、職員の手当てがつかなかったことから会員の管理、会費の徴収事務など基本的な業務が滞ったままになってしまったことです。今後、早急に現状を改善し、健全な組織運営を確立します。